迎え火と送り火、お盆の供養のあり方

迎え火と送り火、お盆の供養のあり方

お供えの写真

「お盆」はどのように迎えればいいのでしょう。

まずは、お仏壇に仏さまをおまつりする心のこもった供養物を整えることから始まります。「信は荘厳から」と昔から言われるように、心の信仰とともに整然とかざってお供えをする形で表す信仰も大切だからです。

茶・花・線香・仏飯・燈明がお供えの基本

お盆の供養物は、宗派や地域の風習によっても異なりますが、基本として、茶・花・線香・仏飯・燈明があげられるでしょう。真言宗では、お茶は「布施行(ふせぎょう)」を表し、お花=「忍辱(にんにく)」、線香=「精進(しょうじん)」、お仏飯=「禅定(ぜんじょう)」、燈明=「智慧(ちえ)」というふうに、悟りの世界へ至るための「六波羅蜜」を表していて、その象徴として考えられています。

精進料理の二つの膳とそうめんなども

本尊供養として供える「精進供」と全精霊を供養する「霊供膳」の二つの膳を用意し、それぞれにナスやカボチャやキュウリ、インゲンなど旬の野菜や、ワカメやひじきなど海藻、高野豆腐など乾物で調理した煮物や和え物など精進料理を高杯や小皿に盛ってお供えします。ほかにお迎え団子(餅)やお菓子、くだもの、そうめん、野菜なども用意してお供えするとよいでしょう。
そうして供物を整えた仏壇にご先祖をお迎えします。

「迎え火」と「送り火」の想い

8月(7月)13日におこなう「迎え火」は、玄関先や門の前で「おがら」に半紙を巻いたものに火をつけ、たなびく煙で「ここですよ」とご先祖に帰ってもらう場所を示すものです。こうして子孫である家族とともにすごしたご先祖の霊魂を、お盆が終わる15日(16日)に、「送り火」を焚いて見送り、また来年もお会いしましょうと感謝をこめて帰っていただきます。

形どおりでなくても心で感じる

以上のようなお盆の供養は、住宅環境やさまざまな条件によって実際に行うのが難しい方もいらっしゃいます。また、マンションなどでは玄関前で迎え火をするのもはばかられます。その場合、ベランダで迎え火や送り火をしてもいいのではと考えます。

そういう形の供養ができない場合、やり方はいろいろあるでしょうが、「お盆」にご先祖が眠るお墓の方向を向いて、心の中で今年も一緒に生きてくださいね、また、来年もよろしくお願いします、とご先祖に思いをはせて祈るとよいでしょう。

心の目で深く見ることを「観想」といいますが、心で感じて行うことが、すべてなのです。

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