招福除災を願う星祭の厄除け祈祷

招福除災を願う星祭の厄除け祈祷

護摩木の写真

立春までに、星を祀って厄を祓う

厄除けの祈祷をする星祭は、星を「祀り」災いを祓う儀式です。今年が「大厄」にあたる人は特に厄除けを勧めますが、昨年不運や不幸に見舞われた方や、はたまた無病息災を願う方などに、一年間の無事と幸福を星に祈るものです。

星祭は旧暦ではお正月になる「立春」までに必ず行うのが原則。つまり、旧暦の大晦日にあたる2月3日までに星に拝み、厄を祓ってよりよい新しい年を迎えましょう、ということです。

運勢というのは絶対的なものではありません。ですから、星を敬ってお祀りし、宇宙の力をいただくことによって、新しい年の星回りがよい人の運勢は一層よくなり、わるい人の運勢はこれを祓って凶を吉に転換できる、それを行うのが星祭です。

今年は2月2日と3日が土日にあたるので、旧年の最後の2日間に星祭で全部の星を拝み、節分の豆まきも同時に行って、福を呼ぶよりよい新年を願います。

聖天寺の平成31年度「星祭・厄除祈祷」の詳細・お申し込みはこちら>

星曼荼羅を拝み、護摩を天に捧げる

具体的には、全部の星が神格化されて掲げられた「星曼荼羅」を拝みます。同時に寺の本尊である「南無大聖歓喜天」=聖天さんのありとあらゆる力によって、星を供養してもらうよう護摩を焚いて祈祷します。

その際、火の中に供物である5~6種の護摩を捧げ入れます。あがる煙によって供物は天に届き、神格化された星のごちそうになるわけです。そうやって星を讃嘆し気を鎮めてもらい、同時に護摩壇に降りてきた仏に対しても讃嘆し、加護の大きな力をいただく。

わるい星回りの方の特別祈祷では、その星を特に讃嘆して喜んでもらい、いい星にするのです。

護摩とはインドのサンスクリット語「ホーマ」のことで、音を漢字にあてたもの。火の神、あるいは火を用いた供物をさします。護摩祈祷は仏教にはなく、真言密教秘伝の修法。真言宗はインドのバラモン教の名残を深く残していると言えるでしょう。

護摩で火を焚く祈祷は、燃え上がる炎で煩悩を焼き尽くして清め、さらにそれを進めて、焚くという所作でたくさん煙があがる。その煙で供物を天に捧げ、願いを成就させる力になるとされています。

最高の讃嘆で厄を最小限にする「魔法経」

また、聖天寺では代々伝わる「魔法経」というお経があります。これは願い事を叶えるためのいわば神仏への最高の讃嘆メッセージ。喜んでもらいご機嫌をよくしてもらって、人に災いをなす厄を最小限に抑える秘法です。

二日間の星祭では、体の毒を消し去り生命を養う「大根焚き」をふるまいます。大根焚きをするのは、本尊である南無大聖歓喜天=聖天さんの好物が大根だからで、良縁と子授けのご利益の象徴でもあります。昆布としょうゆで炊いた素朴な煮物ですが、大根のジアスターゼは精力剤になり、またお腹の内臓を強める働きもあります。

そうして、星をなだめ、仏の加護を得て人々の厄を祓うように尽くすのが星祭なのです。

ですが、現代は長寿社会とはいえ、人それぞれに生まれもった定命というものがあります。その終わりがいつ来るかはわかりません。

「人間は風前の灯火、明日をも知れぬ身の終わりかな」や「朝には紅顔ありて夕べには白骨となれる身なり」(「御文章」)という言葉が昔から人の実感として響いたように、今も変わらず、私たちは無常の世界にいます。それを常に意識して命に感謝し、今年の星回りがよい人もわるい人も精一杯生きること。その覚悟が、厄を祓った後も日々の厄除けになることでしょう。

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