デイサービスですごす時間

デイサービスですごす時間

介護のイメージ

「通所介護サービス」である「デイサービス」は、文字通り、要支援・要介護の高齢者にとって何度も通う施設になります。日中の一定時間をすごして入浴や食事や機能訓練などの介護サービスを受けますが、 滞在時間が楽しく快適で有意義であれば、行く甲斐にもなるでしょう。

通うのが楽しみになる質の高いサービス

各地域にサービス内容が多彩な「デイサービス」がある中で、利用者と家族はケアマネージャーとも相談しながら、自分たちの目的に合う施設を選びます。肝心なのは、やはり利用者の立場に立った質の高いサービスがあるかどうかでしょうか。

たとえば、機能訓練やリハビリテーションでも、力の入れ具合は施設によってさまざま。最新の各種トレーニング器具を揃え、専門のスタッフがきめ細かに利用者に合うプログラムを作成して、身体機能の維持や改善、回復を図る。そうした施設で、負担の少ない運動で弱った筋力やバランス能力を鍛えることができれば、利用者は自信を少しずつ取り戻し、自然と笑みがこぼれるようになるでしょう。

食事も栄養面だけでなく、新鮮な旬の素材で季節の味覚を美味しく享受できれば、活力もわいてきます。また、午後のお茶や、クラフトなどのレクリエーション、企画イベントなど、日々の時間割に工夫を凝らして演出してくれる所もあります。

清潔で品のよい空間に身をおき、生活の一部のような、自宅にいるような安心感の中でそうしたサービスをゆったり受けるができれば、心も体もリフレッシュできるはずです。そんな「デイサービス」は通うのも楽しみになるでしょう。

人と出会い友達を作る、一つの社会の窓口

人によって利用期間はまちまちですが、利用者は80代~90代の女性の割合が多く、介助がないとなかなか外出ができないこともあり、閉じこもりがちです。そんな方たちにとって、「デイサービス」は一つの社会の窓口になり、人と出会う場にもなっています。

長く人生を歩んだ人同士、すぐにうちとけるのは難しいですが、最初はあいさつを交わす程度でも、会うたびに少しずつおしゃべりを楽しむようになり、やがて仲の良い友達ができる人もいます。日々のいろいろを共有する仲間ができると笑顔が増え、ほかの人ともつながりやすくなる。そうして輪が広がり、「デイサービス」の中で一つのコミュニティーが生まれることもしばしばです。

また、人と会い交流することでうれしい変化ももたらします。忘れていた感覚が蘇るように、身だしなみに気をくばったり、女性ならおしゃれをして毎日服を変えたり、少しお化粧をしたり。おでかけのような高揚感が表情を明るくしています。

「デイサービス」で生まれる人とのつながりは、社会との貴重な接点になり、何より疎外感や孤独感から解放し、仲間とのほのかな友情が精神的な支えになることもあるでしょう。

利用者が自宅で長く暮らすための支援

「デイサービス」は基本的に在宅生活が可能な方が利用する施設です。病気で入院したり、介護付有料老人ホームや特別養護老人ホームに入る方は利用することはありません。つまり、家から通って介護を受けられる「デイサービス」は、自宅で暮らす普通の生活と、病院や家から居を移すホームとの「中間」にある施設と言えます。

ですから、「デイサービス」の役目は、利用者が住み慣れた自宅での暮らしを1日でも長くできるように手伝い支えること。その意味で、他の人と話したり食事をしたり歌ったりすることは認知症やウツの予防にもなり、体操や機能訓練やリハビリなどでは日常の動作の回復にもつながります。そうした心と身体の「自立支援」をするのが目的なのです。

これから、団塊の世代が高齢化していく中でますます「デイサービス」の利用者は増えていくでしょう。いつかは誰もが通る道です。だからこそ、通うことで心に活気が生まれ、また行きたいと思える、そんな「デイサービス」に出会いたい。「デイサービス」ですごす時間も人生の大事なひとときだからです。

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